2016.03.21 Monday 23:13

感情と政治

 共和党側のアメリカ大統領候補にドナルド・トランプ氏が着々と近づいている。この間の彼の言動を聞いていると、差別や偏見をむき出しにし、嘘八百を並べている点で、他国の指導者とはいえ日本にとっても有害ではないかと心配になる。
 民主主義の建前に照らして彼を危険だと批判しても、支持者は悪びれることはない。危険で何が悪い、今の閉塞状況を打破するためにはこのくらいはっきりものを言うリーダーが必要だと反発されるのがおちである。これは日本にも当てはまる話である。
 人間には感情が付き物であり、民主政治において庶民感情を否定することはできない。それを差別や憎悪という破壊的な方向ではなく、正義感や他者への共感という建設的な方向に導くことがリーダーの任務である。実際、アメリカでも民主党側では、サンダース上院議員が庶民感情をウォールストリートの強欲を抑止し、福祉国家を建設する議論に向けている。
 日本の野党に必要なのは、「そんなのおかしい」という素朴な感情を、原発事故の真相究明と責任追及や、企業収益蓄積の反面で広がる貧困問題に向けるための言葉を打ち出すことである。いままでの野党は行儀が良すぎた。「保育園落ちた」という女性の怒りに呼応する感性を持つ政治家が、新党の前面に立つべきである。
東京新聞3月20日

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