2018.02.12 Monday 17:09

腐敗という疫病

 通常国会序盤の与野党論戦について、憲法や政治学の気鋭の学者に論評させるという記事が他紙に連載された。その中で日本政治史の学者が、今の野党はスキャンダル追及に偏りすぎだが、安倍首相が感情的になるのも問題と書いていた。
この種の相対主義は問題の本質を覆い隠す。野党が疑惑の追及をやめられないのは、政権が情報公開を拒否し、誠実な答弁をしないからである。根本の問題を見誤ってはならない。
 権力者の腐敗は、国を蝕む疫病である。英米の行動科学研究者が、23か国、2500人余りの若者を対象とした実験を行った。2回サイコロを振り、1回目に出た数に比例して賞金がもらえる。しかし、6が出たら賞金はゼロで、2回目の数字は賞金に無関係である。結果はすべて自己申告であり、嘘をついて高い賞金をもらうことも可能である。すると、独裁者が腐敗政治を継続している国の人々の申告値の平均は、西欧諸国の人々のそれよりも高いことが明らかとなった。
 権力者による政治の私物化が当たり前となれば、国民の方もごまかし、インチキを当たり前と思うようになる。近代社会は人間が正直であることを前提に成り立っているので、一般人が不正直になれば、社会運営のコストは上昇する。
安倍政権の腐敗と野党の追及についてどっちもどっちなどと利いた風なことを言っている場合ではない。為政者の公私混同は社会を内側から腐らせる大罪である。

東京新聞2月11日

Comment:
Add a comment:









 
RECOMMEND
CALENDAR
NEW ENTRY
ARCHIVES
CATEGORY
COMMENT
PROFILE
MOBILE
LINK
SEARCH
OTHER

(C) 2018 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.