2018.07.03 Tuesday 18:36

勧善懲悪の幻想

 財務省における公文書改ざんに関する内部調査の結果が公表された。肝心の改ざんの理由は明らかにされず、麻生財務相は、動機が分かれば苦労はないと、責任者にあるまじき放言をした。
 遠山の金さんや桃太郎侍のような時代劇なら、この場面は、不埒な悪行三昧は許さないとヒーローが悪漢を成敗するクライマックスだろう。しかし、現実の世界にはそんな正義の味方は存在しない。いや、存在してはいけないのだ。民主主義とは、権力者が不埒な悪行を働いた時に、国民自身がこれを成敗する仕組みである。腐った権力者を排除する仕事をヒーローに委託すれば、新しい専制を作り出すもとになるかもしれない。
 野党は少数であり、国民が怒っても権力者は居座りを決め込む。しかし、おかしいことをおかしいと認識し、まともな道理が通る政治を取り戻したいという倫理観を保持していれば、いつかチャンスは来る。今日は新潟県知事選挙の投票日である。新潟県の課題である原発再稼働や農業の持続について県民が的確な選択をすることは、日本全体で正しい方向を回復することに直結する。
 国会前では、大集会が開かれる。国会の外で声を出しても意味はないと冷笑したい奴にはそうさせておけばよい。民主主義を守るには長期的な楽観主義が必要である。

東京新聞 6月10日

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