鳩山政権のもとでの最初の国会は、政策論議が深まらないままに終わった。特に、党首討論がないまま国会が終わったことは、従来の自民党政治からの転換を期待していた世論を裏切るものであった。これから政治の焦点は来年度予算編成に向かっていくのであろうが、このところ鳩山政権への国民の期待は日を追って低下しているように思える。
たとえば温暖化防止と揮発油税暫定税率の廃止、働く女性の支援と扶養控除の存廃など、予算や税制の基本的な骨組みに関して、首相や閣僚がてんでに発言し、明確な方向が定まらない。今の民主党の政策論議を見ていると、予習をしてこなかった学生が教室で先生に質問され、その場しのぎの適当な答えを並べているという光景を思い出す。この混乱は、政権を取る前に、民主党の首脳部がいかに重要課題について議論をしてこなかったかということの反映である。
政務三役など、政権を動かす指導者は、目の前の課題をこなすことで手一杯なのだろう。それにしても、この政権でどのような日本社会を作るのか、基本的なコンセプトを明確にしておかなければ、右往左往はいつまでも続く。鳩山首相の資金疑惑などという不毛な議論に早くけりをつけ、前向きの政策論議を進める中で新しい予算編成に取り組んでほしい。(東京新聞12月6日)
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