鳩山政権最初の予算編成に向けて、様々な作業が進んでいる。景気の落ち込みで税収が40兆円を割りそうだという情勢では、マニフェストで訴えた事業も刈り込んで、歳出を抑えなければならないという話も分かる。事業仕分けによって、官僚のずさんな仕事ぶりの一端をあぶり出したことにも、一定の意味はあると思う。
しかし、一方で政府はデフレ宣言を行い、景気の先行きに対する危機感を明らかにしている。補正予算の執行停止や事業仕分けで歳出を抑えれば、さらにデフレを加速する。
前門の狼、後門の虎という状況の苦しさは分かる。こういう時こそ、政治の決断と思い切りが求められる。今必要なことは、日本の将来を明るくすることにつながるよい借金と、単なるその場しのぎの悪い借金を仕分けすることだ。
家族が急病で倒れたら、治療費の算段をする前に手術を受けさせるのが普通の人間というものである。社会も同じである。これから高等教育を受けて社会を担おうとする若者が家庭の事情で進学を断念したり、学業を修めた若者が仕事の当てもなく途方に暮れたりするという状況を放置すれば、日本の将来は暗くなる一方である。政府は、多少借金を増やしても、将来を担う若者や子どものためには十分な政策を打つべきである。(東京新聞11月27日)
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