年頭に当たって人はそれぞれ今年の抱負を考える。今年は民主党にとって、実質的に国を統治するスタートの年となる。政権を取ってから3ヵ月あまりの反省を踏まえ、新年の目標を明示すべきである。
まず必要なことは、試行錯誤を率直に認めることである。現在の経済、社会問題への対策については、正解があってそれをしゃにむに実現するという状況ではない。様々な利害や意見が対立する中で合意を見つけ出し、失敗があれば柔軟に修正するという現実主義と粘り強さが必要である。
民主党が政権獲得前に作ったマニフェストも、あまりに多くのことを並べたがゆえに相互の矛盾が生じてしまい、修正を余儀なくされた。民主党はマニフェストを守れなかったことを謝るのではなく、そもそもマニフェストに思想的な背骨がなかったことを謝るべきである。その上で、改めてどのような手順で何を実現するか、理念を語るべきである。今年は夏に参議院選挙もあるため、マニフェストのバージョンアップを図るよい機会となる。
昨年は、日米両国で民主党政権が発足し、民主主義と平和を志向する人間にとっては画期的な年となった。しかし、オバマ政権はアフガンで泥沼に陥り、国内では医療保険改革をめぐって保守派に足を引っ張られ、悪戦苦闘している。鳩山政権は内外に対する明確なメッセージを発せないまま、支持率を低下させ、アメリカにも不信を募らせている。
沖縄基地問題について言えば、日本としての理念を明確に示し、アメリカと議論する意欲と論理を打ち出したほうがよほど信頼されると思うのだが、単に先送りするだけであった。
現状は、1970年代末、不況と戦乱の中で立ち往生したカーター政権の時代を思い出させる。あのときの米国民主党政権の崩壊は、レーガン、ブッシュの新自由主義に道を開く重要な転換点となった。
同じことを繰り返してはならない。オバマや鳩山が政策転換を図れずに挫折するならば、政治の可能性を信じた市民は何に希望を託してよいかわからなくなる。彼らには後がないのである。まずは、通常国会冒頭の施政方針演説、年頭教書で、国民を鼓舞する言葉を語らなければならない。政治における希望の灯を消してはならないのである。(東京新聞1月3日)
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