2010.11.01 Monday 00:57

世代間対立

 どこもそうだが、研究者の世界でも若手の就職難が深刻で、高学歴ワーキングプアという言葉も定着した。凡庸な中高年の学者がポストを占め続け、若いというだけで優秀であっても生活もおぼつかないという不満が広がっている。

他人に向かって自分の不遇を公言することは、私たちの世代にははしたない。しかし、若い人にはそんな常識は通用しないのも、無理はない。私なども既得権世代なので、偉そうなことは言えない。

 しかし、いたずらに世代間対立を煽るだけでは能がない。政府も若年層の雇用対策を考えようとしているが、政策で解決できる部分は限定的であろう。ここは社会運動が必要である。

 食い逃げ世代、逃げ切り世代といわれる団塊世代の人々に訴えたい。良い目ばかりを見たと若者に攻撃されるだけでは面白くないだろう。かつて世の中の変革を夢見た世代にとって、今こそ自分たちの力で世の中を覆う閉塞感を打破する時である。退職金の1%、いや0.5%でいいから寄付をして、若者が修行や起業するための基金を作ってはどうだろうか。

 菅首相は以前、団塊党というアイディアを提案したことがある。それが単に、国に何かを要求する政治運動であれば、意味はない。社会のために何かをしようという運動ならば、その後に続く世代も加わるだろう。(東京新聞10月31日)


Comment:
2010/11/11 9:38 PM, 小林 昭人 wrote:
田舎者が政権を取るとこうもおかしくなるものか

 読んでみて呆れたというか、先生にしては珍しく、まるで誰かに代筆させたのではないかと思えるような文章です。あまりにもお粗末ななので、読んだ私も開いた口が塞がりません。我々が求めているのはまっとうな機会と待遇の公正であって、施しではないはず。

 それに団塊退職者の退職金の1%でも供出させればそれなりの金額にはなると思いますが、三兆円の景気対策をやっても経済は上向かなかったのですから、それ以下の金額で大した効果があるとも思えません。それに先の給付金よろしく徴収システムの構築と再分配等事務手数料の問題がありますから、使える額はますます少なくなる。

 世の中何が見苦しく、何がブザマで、何が目に余るかといえば、特権なり既得権なりを持った人間がその優越性を人に向かってひけらかすことではないでしょうか。

 実は昨今、貴校(北海道大学)の引退した商法学者とやらの校誌の文章(一年ほど前のもの)を読みましたが、会社法が改正され、それだけではないにしろ、企業社会ではこれだけいろいろな問題が噴出しているにも関わらず、この老学者は(大昔の)司法試験がどうのとか、五〇年前の東京大学で優等だったとかいう自慢話をひけらかすだけで、今現在の事情に対しては警句も無ければ、学者としてなすべき問題提起を何一つせず、のうのうと引退していったことでしょうか、私は名前の知らない商法学者でしたが(有斐閣Sシリーズなど読まないし)、先生のおっしゃる通り、確かに先生の周りは「ポストを占め続ける凡庸な中高年の学者」ばかりのようですね。これは文字通りの凡物。

 今回の文面を読むと、どうも先生はご自分が「既得権世代」で「逃げ切り」できることには確信があるようですが、ごく常識的に考えて、同じ一つ屋根の下、同じ日本国に暮らしていて、一方の世代なり階級なりが先生の言うように「良い目を見て」、他方がそれを指を加えて見ているだけ、なんて社会が存続しうるでしょうか。

 私は存続できないと思いますし、この場合、怒りの矛先が向かうのは、先生方のおられる階級とそこにいる人々に対してですから、これを「他人に向かって自分の不遇を公言することは、、」なんて論語みたいな言葉で説得できるわけがなく、「逃げ切る」ことなどできるはずがないですから、やっぱり今回の文章は先生が前提にしている何かがおかしいように思います。

 それに今回の文章を読んでみて私などがいちばん首を傾げるのが、今回の文章のようなことを、先生ではなくあの日本国首相が言ったらどういう目に遭うか、あるいはどういう目に遭わされたかということに対する想像力が文面からまるで感じられないことでしょう。やはりお粗末な誰かの代筆なのでしょうか。

 お忙しいし、お疲れとも思いますが、珍しく政権を取った、あるいは近い立場になったというだけの理由で、先生まで首相と一緒に舞い上がり、無くても良い空虚な優越感だけは膨れ上がり、その結果、構想力や想像力まで無くなったというのでは、先生も管首相を笑えないと思いますし、それがもたらす拙劣な判断の連発は、これに関わる誰にとっても、滑稽で悲惨で無残な結末しかもたらさないことでしょう。

 国民は民主党政権に失望しています。確かに国民は政権交代を望みましたが、自民党に代わるものが一部資産家牛耳る秘密支配政党であったことを望んでいたとは思えません。その点、実情を実は知りながら、政権を取るまでそれに触れなかった先生には責任がある。浮かれている場合ではないはず。

2010/11/16 4:46 AM, milk wrote:
ではインフレターゲットに賛同しましょう。インフレターゲットの障壁の一つが年金世代にとっては面白くない(実際には物価スライド制なので苦難にあえぐことはないのですが)ということにあるので。
2010/11/20 5:21 PM, 静岡三郎 wrote:
 私はペシャワール会などの会員となり、小遣いの一部を寄付している。
 信頼できる人々の呼びかけなら、若い人のため私は寄付したい気持ちはありますね。
2010/11/29 5:02 PM, k wrote:
日経の記事読みました。
「団塊世代はくいにげするな」

 寄付は汎用性があるかもしれないけど、日本では土壌が不十分でしょう。
 それよりも、無料アドバイスとかのほうが受け入れられやすいんじゃないでしょうか?
2010/12/18 9:31 PM, 小林 昭人 wrote:
先生の提案はなぜ愚劣か

>かつて世の中の変革を夢見た世代にとって、今こ
そ自分たちの力で世の中を覆う閉塞感を打破する時であーる!

 と、見栄を切った割にはその提案というのがあまりに貧相、貧弱、後ろ向きであると自分でもお思いになりませんか。もっとも、先の意見では私も「妄言」などと書かれましたが、これほどひどくはない。


>退職金の1%、いや0.5%でいいから寄付をして、若者が修行や起業するための基金

 うまく集めれば一兆円くらいの資金にはなると思います。いや、法的強制を加えなければそんなに集まりませんが、問題はその提案の内容。修行(要するに奨学金)と起業がありますので、起業の方のお話をしますね。もし先生がアメリカのベンチャー・キャピタルのようなものを意識していて、それで提案をしたというなら、それは非常にまずい。

 団塊世代はそぞろに引退期に入っていますから、不景気の折、せっかくもらった退職金は大事に使いたいでしょう。上みたいな提案には「利息」という甘露アメが無いとは多分先生でも思っていないでしょうね。しかし、それがちょっとという内容で。

 今のこのご時世、起業の成功率は非常に低いと思います。おそらく90%以上の資金はただムダに失われるのではないでしょうか。文字通りの意味で失われるので、もちろん利息もないです。

 投資に価する事業を判別するのにも問題がある。そもそもそんなノウハウのある人材は民間にはいませんし、銀行も派遣や中小企業の社員には信用供与もしないというのが現実です。先生門下の学生や知り合いのガクシャにそんな人がいる? いないんじゃないかと思いますね。もちろん役人にもそんな能力はない。

 もう一つ、これは今の大会社の創業者の話を見れば分かるのですが、ほとんど全ての会社の創業者が事業に成功する前に会社を三つ四つ潰しています。こと現在の世の中でまっとうな「新産業」の経営者を養成するなら、安く見積もって一人当たり10億、20億くらいはドブに捨てる覚悟が必要なのではないでしょうか。もちろん、アメリカのベンチャーキャピタルはその辺の要領は分かっています。これも前見た北大の紀行文の話ですが、貴校には「日本人のカロリーは既に充足していて、日本人は魚肉ソーセージを食べていれば栄養価は十分だ」という方がいるようです。そんな感性は、投資した先生方に利息を返しうる起業家の感性とはことごとく別のものです。

 と、いうわけで、私は先生みたいな方がこういう提案をすること自体、則を外していると思いますし、うまく行くはずも支持されるはずもないと思っています。支持する人間がいたとしたら、それはファンタジーの世界の住人でしょう。


>修行基金

 起業よりは現実的ではないかと思いますし、これは支持しますが、その対象が今の大学のようなものだとしたら、やはり支持はできないですね。世の中無駄金というものは忌避するものですので、効用最大化を図らなくてはいけません。専門科目の始まる三年生で就活なんかしている学生に投資の価値はないですね。そんなもの、仮に就職してもまっとうな中身があるはずない。私だったら同じ年齢の専門学校生に投資することをお勧めします。カリキュラムの欠陥で、こなれていない抽象論や技術論しか持ち合わせのないこれら「学生」よりは、Cプログラミングや簿記を身につけて卒業した学生の方がよほどものの役に立つことでしょう。末広巌太郎先生は自分のポケットマネーで学生に奨学資金を提供したそうですが、末広先生の時代の大学と今の大学とでは価値が違っています。語学を学ぶにしても、法学哲学科学技術を学ぶにしても、今の大学は形骸化していて中途半端。金を出す者などいないでしょう。

 と、私も後ろ向きのことを書いてしまいましたが、事実だとも思います。最後に、この言葉には一言あります。


>それが単に、国に何かを要求する政治運動であれば、意味はない。社会のために何かをしようという運動ならば、その後に続く世代も加わるだろう。

 私は「その後」世代ですが、この見栄がストンと腑に落ちるほど、日本国には恩義も義理もないです。日本はアメリカではありません。大西洋の波涛を越え、艱難を乗り越えて異郷に地歩を築いた祖先を私は持ってはいません。主張の場所が違っていると思いますね。
2010/12/20 1:25 AM, あ wrote:
大学教授は象牙の塔
世間知らずの理想論
あげくには「リフォーム詐欺の片棒を担ぐ詐欺師」
笑えませんね
2010/12/20 3:39 AM, あ wrote:
積極財政のススメ
http://uproda11.2ch-library.com/11278171.pdf.shtml

日本に必要なのは金融緩和と積極財政だと考えております。
まず今必要なのは若年層や低所得層の組織票化ではないでしょうか?票の動員力があれば政治権力も強まります。
2010/12/23 12:17 AM, 小林 昭人 wrote:
>大学教授は象牙の塔
>世間知らずの理想論

 実はこういう川柳で批判した気になっている人が一番扱いやすいですね。山口先生は象牙の塔にいる割には市井の事情についてはよく存じていますよ。菅首相とスタンスが違うことについては、「居場所がない」とちゃんと書いていますしね。

 並の大学教授だったら、私は意見する気さえしません。

 思うに菅さんのあからさまな権力志向と機会主義というのが、これまでの民主党の主張に比べ異常異端なのではないかと最近では思っています。が、その異常さが党内で十二分に共有されていない。たぶん今の民主党の特に旧党の議員は、自分らがなぜこれほど世間の非難を受けるのか、分かっていないのではないですか。

 山口先生にしても、四〇年前のケネディの言葉を持ってきて感動した気になっているというのは、これはちょっといかんと思いますし、それで通用してしまう環境が民主党にあることも問題でしょう。


>若年層や低所得層の組織票化

 言うは易し、行なうは難し、給与所得者の組織票化は難しいんです。それにPRしてもそんなに見返りありませんしね。子供の頃からマスコミに踊らされ、皮相的な功利主義を植えつけられているこの方々に奉仕するくらいなら、口は出すけれども、その政治意識は高く、約束も守る労組とか、財界とか、中小企業の経営者とかの方がはるかに信用できると今の民主な方々が近視眼的に考えたとしても、それは彼らを責められないと思いますよ。実は国民にも問題がある。

 今の体たらくは鳩山元首相が選挙で連呼していた「失業した息子が自殺したオバーサン」にどう顔向けするつもりなのかと思いますが、こういう修辞レトリック一つ取っても、我々一般大衆が今の政権を非難できる理由は、個々の政策論ではなく、こういったレトリックを常用して恥じない民主党それ自体の現在の体質が正義に反しているということだけでしょうな。それが庶民の素朴な正義感情に反していたなら、その政権には統治の正統性がなく、いかなる(論理的には)有効な政策も実は何の意味もない。現状がそうなってしまっていることが、実は今の民主政権のいちばんの問題だと思いますね。

2011/01/04 7:49 PM, 神生総一 wrote:
定年退職された皆様へお願いです。お金なんかはいりません。その代わり昭和30〜40年代に体験されたことを後世に伝えてください。アンポ、ショトクバイゾウ、コウガイ、モーレツシャイン、バンパク、ドルショック、オイルショック等々、今の若者にとっては分からないことばかりです。
2011/02/09 10:32 AM, 団塊世代隠居 wrote:
おかねは寄付するほどありません。昭和30〜40年代といえば、10〜30歳でした。上には凡庸な部課長がおり、格差を指向する閉塞した社会環境がありました。「戦争を知らない」と威張っていたようで、お恥ずかしいですが、いまでは理解もでき、威張らなくなりました(笑)。学生運動から始めました。全共闘や赤軍など、非政治的大衆運動やテロとは無縁です。いっしょにされて迷惑です(いっしょにして考えたい気持はわかるけど)。いまでも革命を目指しております。食べて行くためにも「夢」?のためにも勉強もすれば猛烈に学びもしてきました。わたしのような同世代は、じつは非常に多いようです。そうでないひとは、政治家商売をしたり、目立ったことを平気でしていますが。若いときは、目立ったこともしていましたけど、個人生活防衛の面では、目立たないように暮らしてきました。われわれは、社会党や共産党も含めて、投票をしない世代でもあります。政党、民主主義や労働組合などの既成組織を信用しないからです。「寄付活動」も信用しません。「革命」とはもともと本来的に「挫折する」ようなものではないんですね。いまでは、ロシア、中国、中近東などの貧民層のほうが、鋭い感性を持っています。日本人の場合は、とくに戦後世界の東西対立構造とその崩壊の意味がわからなくて、思想解体されたようなかたが増えましたね。政治・経済・社会・歴史・哲学などは、基礎を学ばなくなってきた。難しいからか。でも、若い先生方がいまは出始めているようです。期待しています。民主党などに期待してもだめですよ。また、貧乏人同士でひとのせいにしていてもしょうがない。どんな怨念も社会論争であって、あくまで論理的に問い詰めて行く態度を持ちましょう。今の若者たちに贈りたい、先輩から受け継いできた言葉です。
2012/07/11 11:32 PM, 生産者 wrote:
若年世代の世代間格差認識は広がりつつあります。
私も機会さえあれば運動に参加したいと考えているほどです。
世代間対立をすべきでないと言うのなら、世代間利­得者の皆さんがそれを手放してからにしていただきたい。
社会システムによって若者への搾取が歴然と行われ、更なる強化が確実視されている近い将来、若者の潜在的不平感は相当なものになっているはずです。
原発問題などで「子供たちの未来のため」というフレーズを散見しますが、自分たちが未来の子供たちを搾取していくという現実問題にまず目を向けるべきだと考えます。
Add a comment:









 
RECOMMEND
CALENDAR
NEW ENTRY
ARCHIVES
CATEGORY
COMMENT
PROFILE
MOBILE
LINK
SEARCH
OTHER

(C) 2019 ブログ JUGEM Some Rights Reserved.