<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<rdf:RDF
    xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
    xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
    xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
    xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
    xmlns:cc="http://web.resource.org/cc/"
    xmlns:admin="http://webns.net/mvcb/"
    xmlns:taxo="http://purl.org/rss/1.0/modules/taxonomy/"
    xml:lang="ja">

    <channel rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?mode=rss">
    <title>YamaguchiJiro.com</title>
    <link>http://yamaguchijiro.com/</link>
    <description></description>
    <dc:language>ja</dc:language>
    <admin:generatorAgent rdf:resource="http://jugem.jp/?v=1.0"/>
    <items>
      <rdf:Seq>
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=866" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=867" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=865" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=857" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=863" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=862" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=864" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=861" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=856" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=855" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=860" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=854" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=845" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=846" />
        <rdf:li rdf:resource="http://yamaguchijiro.com/?eid=852" />
      </rdf:Seq>
    </items>
    </channel>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=866">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=866</link>
    <title>民主党の立ち直りは可能か</title>
    <description>　参議院選挙の思わぬ敗北によって政局は混沌としている。九月の代表選挙に向けた民主党内の動きが、政局の焦点ということになるのだろう。しかし、民主党の主だった政治家が九月に本気で代表選挙をするなどということは、常識ではありえない。今の民主党代表は、そのまま...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　参議院選挙の思わぬ敗北によって政局は混沌としている。九月の代表選挙に向けた民主党内の動きが、政局の焦点ということになるのだろう。しかし、民主党の主だった政治家が九月に本気で代表選挙をするなどということは、常識ではありえない。今の民主党代表は、そのまま日本の首相になる。菅直人首相に責任を取れと叫んでいる反主流派の政治家は、たった三か月で首相を代えてもよいと思っているのだろうか。小沢グループやその周辺に、菅に代わって首相の大役を担える政治家はいないと断言できる。与党の党首選挙は首相選びに直結するという緊張感を持って、人事論争をして欲しい。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　緊張感が求められるのは、反主流派以上に、菅首相及び執行部の方である。選挙の後しばらく、テレビで見る菅首相は、魂の抜け殻のようであった。菅のとりえは、権力欲の大きさだったはずである。挫折を乗り越える図々しさこそ、菅が前任の首相たちと違う所だと期待していた。確かに議席数は改選議席から十も減らしたが、比例代表の得票は民主党が圧倒的な第一党である。選挙での敗因を的確に分析し、これからの政権運営に新しいビジョンを示すことができるかどうかに、菅の真価がかかっている。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　参院選の最大の敗因は、消費税問題のように見える。しかし、消費税率引き上げは、昨年の総選挙の際に民主党が示したマニフェストが現実の政権運営との間に齟齬を引き起こしたという大きな問題のひとつの現われに過ぎない。野党として作ったマニフェストが、いろいろな面で詰めが甘く、使い物にならない部分があるのも、仕方ない話である。また、不景気の中で税収が予想外に落ち込んだことも、不運であった。それにしても、民主党は政権交代による政策転換について、軽く考えていたことも確かである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　民主党は生活第一というスローガンの下で、ヨーロッパ型の福祉国家に向けて大きな政策転換を訴えた。子ども手当てや高校無償化などがその先陣である。子ども手当ての金額、現金給付と現物給付の組み合わせ方などについては、いろいろと議論はある。それにしても、政府が国民生活を支えるために積極的な政策を展開するという姿勢自体は、今の日本に必要とされている。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　そうであれば、歳入面でも大きな政策転換を実現しなければ、政策のつじつまは合わない。子ども手当てを当初の構想どおり一人月額二万六千円支給するためには、五兆円ほどの財源が必要となる。これは日本の防衛費と同じ金額である。無駄を省いて必要な財源を確保するというマニフェストの議論は、野党としての主張であった。本格的な福祉国家を確立するためには、安定的な財源を確保することが不可欠である。日本の国民所得に対する租税・社会保険料負担率は、西欧諸国と比べて二〇ポイント以上、西欧では小さな政府のイギリスと比べても一〇ポイント低い。歳出面で西欧モデルを目指すというのだから、歳入面でも負担率を対国民所得費でまず一〇ポイント程度引き上げる必要がある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅首相の消費税率引き上げ発言は、こうした構想の一部だと私は理解している。しかし、一般市民に私と同じような好意的理解を求めるというのは、余程の政治音痴である。政治家たるもの、まず目指すべき社会像を明確に語り、人々の生活がどのように改善されるかを提示しなければならない。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅が本当に責任感のある政治家なら、選挙の敗北の後も消費税論議の旗を下してはならない。むしろ、国民が最初の菅の問題提起を拒絶した理由をしっかり考え、もう一度、福祉国家のビジョンと体系的な税制改革の構想を立て直さなければならない。それは菅政権だけではなく、今の日本にとっても焦眉の急である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　民主党執行部は、九月の代表選挙のことなど、考える必要はない。反主流派が菅を引きずりおろしたかったらやってみろと開き直ればよい。そんな政局の話よりも、秋の臨時国会、予算編成と来年の通常国会、そして衆議院の残り任期の三年間で、どのように政権を動かし、成果を実現するかという大きなカレンダーを書くべきである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅首相が最初にすべきことは、野党やメディアになんと言われようと、あと三年政権を続けると宣言することである。民主政治には、国民がリーダーを選ぶという局面と、リーダーが国を統治するという局面がある。三年前の参議院選挙以降、日本は統治不在の状態であった。政権が持続することは、それ自体で意味がある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　秋の臨時国会は、ねじれ国会の最初の本格的戦いの場となる。この段階は妥協や協調で成果を挙げるというよりも、まず各党が自己主張をして、それぞれの対立点と共通点を明らかにするということが必要である。まず政府与党が自らの主張を理念に基づいて体系的に示し、野党の批判を仰ぐことが始まりとなる。国会の表舞台で与野党が論争を尽くせば、おのずとどの党のどの主張が近いかということが見えてくるであろう。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">連立の組み替えはそうした論争をしっかり行った後に見えてくる課題である。たとえば、消費税率の引き上げについて、福祉国家の充実という理念についても合意できるのであれば自民党と協力する可能性もあるだろう。また、今までの政策論の延長線上で考えるなら、公明党との距離が最も近いかもしれない。小さな政府だけが看板のみんなの党とは組めるはずがないと私は考える。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">そのようにして政党の距離感を明確にした上で、来年の通常国会以後の政治課題に取り組む体制を作るべきである。繰り返しになるが、ねじれ状況であっても、政治を動かすイニシアティブは政府与党が握っている。八月にじっくり構想を練り、これまでの失敗を踏まえた政権戦略を打ち出して欲しい。（週刊東洋経済8月14日号）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>週刊東洋経済　政治フォーカス</dc:subject>
    <dc:date>2010-08-15T00:00:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=867">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=867</link>
    <title>政権交代をなぜ生かせなかったのか―――民主党における「失敗」の考察</title>
    <description>はじめに

　二〇〇九年九月の政権交代が日本の政治史の中で画期的な意味を持つことは、どれだけ強調しても、誇張にはならないであろう。政権交代によって始めて可能になった情報公開、政策転換もいくつか達成された。社会福祉政策の拡充、事業仕分けによる官僚の既得権...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">はじめに</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　二〇〇九年九月の政権交代が日本の政治史の中で画期的な意味を持つことは、どれだけ強調しても、誇張にはならないであろう。政権交代によって始めて可能になった情報公開、政策転換もいくつか達成された。社会福祉政策の拡充、事業仕分けによる官僚の既得権への切り込みなどは、自民党政権では思いつかれもしなかったろう。これらの政策や改革の意義はきわめて大きいことを、ここで改めて確認しておきたい。鳩山政権がどんなに落ち目になっても、政権交代は日本政治にとって画期的な意味を持っていた。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">もちろん、鳩山政権のリーダーシップの弱さ、政治家たちの脆さ、政権運営をめぐる戦略の欠如などによって、千載一遇の好機を逃したという悔いは大きい。しかし、今必要なことは、政権の欠陥やリーダーの質の悪さをいたずらに嘆くことではない。この政権交代が何を目指すべきであったのかをもう一度確認したうえで、本来の目的を達成できなかった理由を厳しく究明することこそ、政治学者の任務である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政権交代可能な政党政治の確立は、日本政治にとって百年単位のプロジェクトである。最初の政権交代に試行錯誤はつきものである。重要なことは、錯誤を自ら認識し、これを修正することができるかどうかである。鳩山政権という一つの政権の命運や帰趨を超えて、政権交代にともなう政策転換をいかに進めるかを、失敗に基づいて批判的に総括することこそが、現下の急務である。最初の民主党ができてから一五年間にわたってこの党を軸とする政権交代を説いてきた者にとって、鳩山政権の敗因を論じることは大変辛い作業である。しかし、そのことなしに日本の政党政治の深化はありえない。本稿では政権交代とは何であるべきだったのか、改めていかにしてそれを実現するかについて、考えてみたい。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span lang="EN-GB"><o:p>&nbsp;</o:p></span></p>

<p class="MsoNormal" style="mso-outline-level:1"><span style="font-family: 'ＭＳ 明朝';"><br></span></p>

<!--EndFragment-->


<p><a href="http://yamaguchijiro.com/?eid=867">続きを読む &gt;&gt;</a></p>
]]></content:encoded>
    <dc:subject>その他</dc:subject>
    <dc:date>2010-08-06T00:32:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=865">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=865</link>
    <title>社民党の行方</title>
    <description>　辻元清美議員が社民党を離党し、この党はいよいよ最終段階に入ったようである。社民党が民主党との連立政権から離脱した時、私は本欄で、目先の自己満足を優先させる左翼の心情主義だと批判した。実際、政権を離脱すれば社民党は護憲だけを売り物にする単一争点政党にな...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　辻元清美議員が社民党を離党し、この党はいよいよ最終段階に入ったようである。社民党が民主党との連立政権から離脱した時、私は本欄で、目先の自己満足を優先させる左翼の心情主義だと批判した。実際、政権を離脱すれば社民党は護憲だけを売り物にする単一争点政党になるしかない。具体的な成果を上げたいと思う政治家が社民党を離れるのは当然である。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　失礼は重々承知の上で言いたい。社民党は、自らが日本政治における歴史的役割を終えたことを、率直に自覚すべきである。確かに、戦後六五年間、憲法を守ってこられたのは社民党の前身である社会党の頑張りのおかげでもあった。そのことは今でも高く評価されるべきである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　しかし、社民党が訴える護憲のスタイルはノスタルジーをかき立てるものでしかない。支持者は高齢化する一方で、選挙の得票も減少の一途である。近い将来国会の議席はなくなるであろう。今の日本でこれ以上左よりの政権を作ることは不可能である。したがって、社民党は今のうちに民主党に合流し、社会民主主義を追求する勢力の一翼を担うべきである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　沖縄問題については、これからいくつもの山を越えなければならない。閣外から反対の声を上げても意味はない。現実と格闘し、半歩でも前進することこそ、政治家の務めではないか。（東京新聞8月1日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-08-02T00:29:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=857">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=857</link>
    <title>世論調査支配</title>
    <description>　いよいよ参議院選挙の投票日である。これからの日本の進路の選択に大きな影響を与える選挙である。読者の皆さんにもぜひ投票に行っていただきたいと思う。

　今回の選挙戦を見て、頻繁な世論調査の弊害が現れてきたように思う。民主党の終盤の劣勢は、主として菅首相...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　いよいよ参議院選挙の投票日である。これからの日本の進路の選択に大きな影響を与える選挙である。読者の皆さんにもぜひ投票に行っていただきたいと思う。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　今回の選挙戦を見て、頻繁な世論調査の弊害が現れてきたように思う。民主党の終盤の劣勢は、主として菅首相の消費税率引き上げをめぐる不用意な発言に起因しているので、自業自得ではある。それにしても、毎週世論調査を行い、首相の発言をどう思うか人々の瞬間的な反応を調べ、そこから出てきた数字が政局を動かすという事態が、本来の民主政治なのかという疑念を覚える。ほかならぬ数人の新聞記者からも、世論調査をやりすぎるのだという正直な感想を聞いた。電話の世論調査に答える側がどこまで十分考えて答えているのかという疑問もある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　税制改革のような争点については、腰を据えた議論が必要である。そのためには、政治家が周到に準備し、国民を説得するための論理を構築しなければならない。それと同時に、世論調査に振り回されない、息の長い議論をメディアもしなければならない。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　世論調査の支持率で政治家が右往左往し、必死で数字を上げるための策を考えるという状態は、蜃気楼を見てパニックに陥るようなものである。熟慮の上の世論を形成するためにはメディアの責任も重い。（東京新聞７月１１日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-07-12T00:39:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=863">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=863</link>
    <title>菅直人の現実性について</title>
    <description>　菅政権に対して、自民党や右派メディアは「左派政権」という非難を浴びせている。私などは、当節の勉強不足の政治家や評論家は左派とは何かを知らない、こんな政権はまだ左派性が足りないと思うのだが、菅直人がいかなる意味の左派かを考えることは、この政権の特徴を捉...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　菅政権に対して、自民党や右派メディアは「左派政権」という非難を浴びせている。私などは、当節の勉強不足の政治家や評論家は左派とは何かを知らない、こんな政権はまだ左派性が足りないと思うのだが、菅直人がいかなる意味の左派かを考えることは、この政権の特徴を捉えるための重要な切り口である。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅はその出自からして、確かに左派的イメージを持った政治家である。権威主義を排して対等な個人同士が自由意思で結合する市民社会を志向するという点、市場経済の行きすぎを政府の力で是正し人間の尊厳を確保しようとするという点の二つにおいて、菅の主張は左派的である。こうした思想は現在の日本にとってきわめて必要なものであり、左派と言われても何ら恥じることはない。しかし、日本では左派というと現実を見ない夢想主義、政治の複雑さに耐えられない単純思考という響きもある。最近では、こうした特徴は連立離脱の際の社民党にも発揮された。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　ヨーロッパに行けば、ドイツのブラント、フランスのミッテランなど現実的左派政治家は何人もいた。菅自身は左派という言葉を使わないだろうが、彼は日本で初めての現実主義的左派という政治家像を模索していると私は想像している。菅については、橋本政権の厚生大臣として薬害エイズ事件の究明に尽力した実績から、官僚を使いこなして物事を成し遂げる（</span><span lang="EN-GB">get things done</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:
Century;mso-hansi-font-family:Century">）能力を持つという期待がある。他方で、鳩山政権の副総理として危うい問題には一切口をつぐんで首相の座を手に入れた権力志向の風見鶏というイメージもある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　ここで問われるのは、現実主義の意味である。戦後の日本政治では、現実主義と理想主義が磁石の両極のように対置されてきた。日本的理想主義とは、社民党に代表されるように、ユートピアを求め、現実を否定、拒絶する態度であった。それは、「政治とは悪さ加減の選択」という鉄則を無視し、ベストを求め、ベターを拒絶するあまり、かえって変化の芽を摘み、現実の固定化を助長するという帰結をもたらした。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">日本的現実主義について、丸山真男は「「現実」主義の陥穽」という論文の中で、所与の現実を不動の前提と考える、現実を一次元的なものと考える、支配権力の考える現実を現実とみなすという三つの特徴を挙げている。力の強い者が押しつける現実を有り難がり、それに不都合があっても一切変革の努力を放棄するのが日本の現実主義であった。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">たとえば、西ドイツの首相ブラントは、東欧諸国との和解という一見不可能な目標に挑戦し、岩盤に穴を穿つ努力を重ねて東方外交を実現したという点で、真の現実主義者であった。その時の現実から出発することは当然としても、現状に甘んじるのではなく、将来どのような方向を目指すのか、方向性を示すことこそ、現実主義的な指導者の使命である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">菅首相が就任早々税制改革の必要性を提起したことによって、彼がどの程度の現実主義者か量られることとなった。民主党が主張する積極的社会政策を実現するためには、歳入確保のための対策が不可欠である。また、財政赤字に歯止めをかけることも必要である。財務大臣としての経験をもとに、財政の持続可能性を回復したいという菅の思いは、額面通り受け取ってよいであろう。それにしても、消費税率の引き上げを中心とする税制改革が、財政赤字を減らしたいという財務官僚の現実主義に基づく提案なのか、最小不幸社会を実現するための政策手段を実行するための財源の確保なのか、その意味づけを明確にしなければ、国民はどう考えてよいか分からなくなる。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">菅の言う強い経済、強い社会保障、強い財政という三つのスローガンにしても、よく考えてみると国の針路とするには詰めが足りない。菅は、財政学者の神野直彦氏の理論から影響を受けていると称しているが、神野氏はこの三つについて明確な優先順位をつけている。財政赤字が増加するのは、失業や貧困の蔓延、地域社会の空洞化など社会の荒廃の表現である。より多くの人が働いて所得を得るならば、税収が増える一方で、生活保護などの財政支援が縮小する。また、若い人々が家庭を築き、出生数が増えるならば、社会保障や財政の持続可能性を回復する基盤ができる。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">強い経済は働く人々に生活の糧をもたらすのだろうか。日本は小泉時代に数年間、輸出企業主導で強い経済を実現した。しかし、その間も財政赤字は増え続け、人々の賃金は減り続けた。人々に富を配分しない強い経済は、社会保障と財政を弱めるというのが現実の経験であった。強い社会保障によって人々が仕事と家庭を持続できるような環境を整え、それによって経済を強くし、最終的に財政も強くなるというのが、菅政権の本来の経済ビジョンであろう。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">エセ現実主義者は、様々な議論から都合のよいスローガンをつまみ食いして、パッチワークを造りたがる。菅の言う政調戦略や財政健全化がそのようなパッチワークなのか、真のビジョンなのか、選挙戦の論争の中で試されることとなる。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">もちろん私は、菅に真の現実主義者であってもらいたいと願っている。ヨーロッパモデルの福祉国家を実現するためには、日本人はもっと租税負担を上げなければならないという現実を突きつけ、ともに悩むことを提案した点は、勇気ある行動だと評価したい。しかし、その勇気だけでは国民は説得されない。菅が政権発足当初、小沢前幹事長から自立した行動を取ったことで、この政権は高い支持率を得た。政策論議の段階に入った今、財務省から自立することこそ、国民の信頼を得るために不可欠である。帳面上の赤字減らしではなく、国民生活を支えるための財源として負担増を位置づける分かりやすい説明が求められている。（週刊東洋経済７月１０日号）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>週刊東洋経済　政治フォーカス</dc:subject>
    <dc:date>2010-07-11T01:14:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=862">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=862</link>
    <title> 税の公平</title>
    <description>　選挙に向けて税金に関する議論がさかんになった。今まで増税に蓋をして社会サービスを拡大してきたことを考えれば、このタイミングで税負担の今後の方向について議論を始めることは必要である。

　最大の懸念は、菅首相が財務官僚に操られて、もっぱら財政の帳尻あわ...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　選挙に向けて税金に関する議論がさかんになった。今まで増税に蓋をして社会サービスを拡大</span><span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">してきたことを考えれば、このタイミングで税負担の今後の方向について議論を始めることは必要である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　最大の懸念は、菅首相が財務官僚に操られて、もっぱら財政の帳尻あわせのために増税を訴えているのではないかという点である。財務省の役人が赤字を心配するのは当然かもしれないが、はいそうですかとは言えない事情がある。事業仕分けで明らかになった各種の無駄は、予算を査定した財務省主計局の役人も先刻承知だったはずである。自分たちの査定能力の欠如を棚に上げて、他に悪者を仕立てるやり口は姑息である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">また、消費税率の引き上げばかりに焦点が当たっている感もあるが、所得税の累進制の強化、相続税の増税など、公平の観点からしなければならないことがある。ついでながら、相撲協会に犯罪が相次いでいる今、あんな反社会的団体に財団法人としての税の優遇を与えることは犯罪的である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅首相のいう政治主導が本物かどうか。それは彼のいう税制改革の議論がどこまで財務官僚の思惑から独立した、筋の通ったものかを見れば分かる。みんなが税を多めに払うことでどのような社会を実現するのか、ゴールを描くことが税制論議の出発点である。（東京新聞７月４日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-07-05T00:12:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=864">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=864</link>
    <title> 参議院選挙の争点</title>
    <description>　鳩山政権の崩壊、菅政権の誕生、そして民主党支持の急速な回復と、この１か月ほどの間、政治は目まぐるしい動きを続けてきた。私なども、鳩山退陣の時には表紙を替えただけで民主党支持が戻るなどと安直なことを考えてはならないと、民主党に警告を発していたのだが、そ...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　鳩山政権の崩壊、菅政権の誕生、そして民主党支持の急速な回復と、この１か月ほどの間、政治は目まぐるしい動きを続けてきた。私なども、鳩山退陣の時には表紙を替えただけで民主党支持が戻るなどと安直なことを考えてはならないと、民主党に警告を発していたのだが、その予想は外れた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　民主党支持のＶ字回復は、鳩山・小沢には幻滅したが、政権交代自体にはまだ期待しているという民意の表れである。国民は寛大にも、民主党に２度目のチャンスを与えた。３度目はない。菅政権が実績を上げることができなければ、国民は政党政治そのものに不信を抱くことになる。今、鹿児島県阿久根市の市長が何かと話題を呼んでいるが、あの種の独裁的なリーダーに捨て鉢な希望を託すという現象が国レベルでも起こるかもしれない。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">では、民主党は最後のチャンスをどのように生かすべきか。また、今回の参議院選挙をそのためにどのように位置づけるべきか、考えてみたい。この参院選の最大の意義は、政権交代から９か月経って、初めてまともな政策論争ができる機会が訪れたという点にある。昨年の総選挙では、政権交代自体が唯一の争点となった。半世紀に及ぶ自民党政権を倒す機会だったので、それもやむを得なかった。民主党は政権交代を全面に掲げ、政権交代によって何を実現するかという政策面の準備を十分しなかった。もちろんマニフェストは作成したが、政権運営の基軸になるレベルのものではなかった。その未熟さは、予算編成や税制改正の議論の中で、たとえば揮発油税の暫定税率の扱いや高速道路無料化の進め方などに関して露呈された。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">政権をまったく経験したことのない政党が政権綱領を作るのだから、多少詰めが甘いのも仕方ない。初めての政権交代だから試行錯誤がつきまとうのもある程度やむを得ない。問題は、政権運営の経験の中で、自らの誤りに気づき、これを自分で修正できるかどうかという点にある。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">菅首相が選挙に向けて、いささか唐突であるが、財政健全化や消費税率の引き上げの必要性を提起した。手順が違うという批判もあるが、私は菅首相の提起を、今までの政権運営の誤りから学んだ成果として、肯定的に評価したい。民主党は昨年のマニフェストで無駄を省いて子ども手当などの財源を作り出すと訴えていた。しかし、実際に政権を取って予算編成をすれば、そう簡単な話ではないことが分かったはずである。マニフェスト違反という非難を浴びせるよりは、我々がこれからどのような社会を造り出そうとするのか、そのために財政基盤をどのように再建するのか、大枠に関するまじめな議論が始まったと評価すべきである。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">もちろん、民主党の変身をただ肯定するわけにはいかない。今までの民主党政権の根本的な欠陥、マニフェストにおける理念の不在という問題を乗り越える意欲があるかどうか不明だからである。昨年のマニフェストは項目の羅列に過ぎず、民主党がどのような社会を目指すのか、基本的な理念が不明であった。だから、たとえば子ども手当をもらっても、もらう側は手当の意義が理解できず、せっかくの画期的な政策にもかかわらず、国民の評価は低い。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">国民の負担増に関する議論を進めるためには、政党、政治家はより一層明確な理念を掲げる必要がある。菅首相が消費税率の引き上げを呼びかけるのはよいとして、それがどのような社会を建設する財源になるのか、具体的に説明しなければならない。みんなで負担し、みんなが受益する福祉国家を作るための税制改革なのか、財務官僚の口車に乗せられて財政の帳尻を合わせるための増税なのか、国民はまだ納得していない。参議院選挙は、政権選択に直結しないという意味では、自由な論争をする好機である。これからの選挙戦の中で、そのような論争を深めてほしい。（山陽新聞６月２９日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>山陽新聞</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-30T00:20:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=861">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=861</link>
    <title>答えのない問い</title>
    <description>　NHK教育テレビで、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の講義が放映されて、予想外の反響をもたらした。この講義は正義をめぐる抽象的な議論であった。ソクラテスを連想させる問答形式で学生から多様な意見を引き出しながら考えを深める様子に、日本人も魅了された...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　</span><span lang="EN-US">NHK</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">教育テレビで、ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の講義が放映されて、予想外の反響をもたらした。この講義は正義をめぐる抽象的な議論であった。ソクラテスを連想させる問答形式で学生から多様な意見を引き出しながら考えを深める様子に、日本人も魅了されたのだろう。　</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　私が最も感心したのは、拝金主義のメッカであるはずのアメリカで、知を尊重する気風が大学で脈々と受け継がれている点である。正義とは何かなどという問いには一つの正解はない。答えのない問いを考え続けることは、人間の知性を鍛え、それが実践的な問題を解決するための基礎体力となった。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　アメリカの大学では法律や経営など実務や富に直結する専門教育が重視されているという印象がある。しかし、ハーバードなどの名門校では答えのない問題を考え続ける基礎教育も重視されている。それがエリートの知的水準を押し上げているのだろう。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　日本ではこの十数年、大学改革の名のもとにすぐに役立つ学問ばかりが優先されてきた。正解を教え込んで試験に受かることが大学教育の目的になっている感がある。学問を現世的な目的を達成するための手段と位置付けるならば、知性を持たない薄っぺらなエリートが生み出されるだけである。（東京新聞６月２７日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-28T01:09:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=856">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=856</link>
    <title>社会民主主義とは何か</title>
    <description>　参議院選挙に向けて各党の政策が打ち出された。特に目を引くのは、民主党が昨年の総選挙で封印していた増税の議論を正面に出した点である。これについては、約束違反だという批判も当然出てくる。それにしても、日本で福祉国家を整備するという理念に照らせば、政策論議...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　参議院選挙に向けて各党の政策が打ち出された。特に目を引くのは、民主党が昨年の総選挙で封印していた増税の議論を正面に出した点である。これについては、約束違反だという批判も当然出てくる。それにしても、日本で福祉国家を整備するという理念に照らせば、政策論議が進んでいるという肯定的な評価をしたいと、私は考えている。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　今年度予算は、財源が極めて乏しい中、子ども手当や公立高校の無償化に踏み出した。これは政権交代の大きな成果である。本誌編集部を含め、左派、進歩派の中でこの種の政策にいちゃもんをつける人々もいるが、自民党時代の冷酷な政府の方がよかったとでもいうのだろうか。理想的な政策は一夜でできるものではない。まず現金給付の仕組みを作り、保育等のサービスを拡充するという段階を踏むのは当然である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">しかし、今の財政状況を見れば、この種の積極的な社会支出を維持することが不可能であることも明らかである。そこで、持続的財源を捜すという議論が始まった。私の言葉で言えば、お代は見てのお帰りということである。親の貧困、生活苦を子ども世代に伝えないという理念を実現するためには、数兆円規模の支出が必要である。他方、無駄の代表といわれた公共事業も、これ以上減らすと地域経済は本当に壊滅する瀬戸際である。だから、新たに財源を見つけるしかない。公務員の削減も、官製ワーキングプアを増やすだけで、これ以上すべきではない。つまり、増税の議論は不可避である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">先週号のインタビューで、福島みずほ社民党党首は社会民主主義の必要性を唱えていた。私も同感である。しかし、この際敢えて言いたい。社民党の存在こそ、日本人が社会民主主義について誤解する原因である。社会民主主義を選んでいる欧州諸国における租税社会保険料の国民所得に対する負担率は日本の１．５から２倍である。社会政策の面でヨーロッパ並みを目指すなら、負担もヨーロッパ並みに引き上げなければ、帳尻は合わない。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">社民党およびその支持者は、今の政府を信用できないから増税の議論は受け容れられないという主張をする。一件もっともなこの種の議論は、実は新自由主義と財務省主導の自己目的的財政再建への道を開くのである。新自由主義は政府に対する徹底的な不信を前提としている。その種の議論を逆手にとって、新自由主義者は、政府は常に信用できないのだから、政府に金を預けるよりも、徹底した歳出削減で国民負担を小さく抑えようと言う。これは小泉時代に実際に起きたことである。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">政権交代によって、積極的な社会政策が広がり始めた。しかし、圧倒的な歳入不足が政策の本格的な展開を阻んでいる。今財源を見つけなければ、始まりかけた社会民主主義路線は簡単に瓦解する。消費税率引き上げの前に、資産課税、相続税、所得税の累進制の強化など先にやるべきだという意見があるなら、この際しっかり主張してもらいたい。それでも財源が不足するなら、消費税率の引き上げも選択肢の中に入れなければならない。国民負担を増やすことなしに福祉国家は建設できないという現実こそ、社会民主主義者が主張すべきである。（週刊金曜日6月25日号）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>週刊金曜日　政治コラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-26T00:44:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=855">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=855</link>
    <title>裏切られた革命？　　鳩山政権の蹉跌をいかに乗り越えるか</title>
    <description>　世論調査のたびに鳩山内閣の支持率は低下を続け、五月末には政権危機までがささやかれる有様である。長年、民主党を軸とする政権交代の必要性を説いてきた者にとって、この政権の「敗因」を論じることは辛い作業である。しかし、鳩山政権が何を達成し、どのような限界に...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　世論調査のたびに鳩山内閣の支持率は低下を続け、五月末には政権危機までがささやかれる有様である。長年、民主党を軸とする政権交代の必要性を説いてきた者にとって、この政権の「敗因」を論じることは辛い作業である。しかし、鳩山政権が何を達成し、どのような限界にぶつかったのかを明らかにしなければ、日本の政党政治は前進しない。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　この政権が麻痺状態に陥った最大の理由は、民主党が政権交代を自己目的としたこと、あるいは実体的な政策転換についての十分な展望を持っていなかったことに尽きる。半世紀以上も続いた自民党政権を倒すことがそれ自体目的となったことは仕方ない。しかし、それは政界関係者にとっての話である。政権交代がよりよい社会を作り出すことにつながらなければ、それは民主党にとっての自己満足で終わる。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　もちろん、民主党もマニフェストを作り、自民党政権が進めた政策を大きく転換することを訴えていた。だが、それは明確な理念に基づく体系というよりも、スーパーの開店記念セールのチラシのように、様々な項目が羅列されていたに過ぎない。地球温暖化防止と揮発油税減税や高速道路無料化など、相矛盾する項目も並存している。目指すべき政策に関する確信が内閣と与党の指導部に共有されていなかったことが、後に混乱を作り出すこととなった。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　ここで改めて、政権交代の歴史的意義と、民主党が目指すべき政策の方向を整理しておきたい。ここでの整理は、私自身の考えであるが、民主党の政策にも表現されていることである。私は、民主党政権の樹立を戦後日本政治の第三の段階として位置づけている。第</span><span lang="EN-US">1</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">の段階は、かつての自民党と官僚の連合体による再分配政治であった。日本の場合、制度的再分配、つまり社会保障は貧弱で、官僚のさじ加減と政治の圧力で左右される公共事業補助金、護送船団方式による業界保護が政治の焦点となった。これらの裁量的政策により競争力の弱いセクターで雇用が確保され、結果として貧困、失業等のリスクから個人や地域社会が守られた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　しかし、第一段階の裁量的政策によるリスクの社会化は、無駄、腐敗、既得権を生みやすい。その弊害が顕著になった二〇〇〇年代から、第二段階としての新自由主義改革が現れた。これは、規制緩和、社会保障や地方交付税の支出を削減することにより、リスクを個人や自治体に転嫁する政策であった。改革の当事者は、公正な市場を目指したのかもしれないが、事業仕分けのときに明らかになったように、裁量的政策による既得権は残された。その意味で、第二段階は図の第三象限に位置する。族議員と官僚の横暴に辟易した国民は当初この改革を歓迎したが、二〇〇〇年代の後半になって貧困、不平等の拡大という結果を認識するに至った。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　民主党の目指す政策は、第三段階としての制度的な再分配の強化だったはずである。子ども手当てや高校無償化もその一環である。国民に対して公平に政策的恩恵を配分し、生活不安を解消するとともに、内需主導の経済を作り出すことが、「生活第一」路線の中身である。かつての自民党政治におけるバラマキは、政治過程のインサイダーに対する裁量的な恩恵給付であったのに対して、民主党の政策は公明正大な再分配である。バラマキという批判に対してはそのように反論すればよいだけの話だが、指導部が明確な理念を共有していないために政策の骨格の議論においてぶれが目立った。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　また民主党が本来目指すべき理念は、三つのポストによって表現される。第一は、ポスト冷戦である。その中身は、アメリカの一極主義的な軍事行動への追随を見直し、アジアにおいて平和を作り出すという方向性である。鳩山政権は、核軍縮への積極的な姿勢、東アジア共同体構想、普天間基地の海外移転など、この方向のアジェンダを打ち出した。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　第二は、ポスト物質主義である。その中身は、成長の限界を踏まえ、持続可能性を鍵に経済のパラダイムを組み換えることである。鳩山首相は温室効果ガスの</span><span lang="EN-US">25</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:
Century;mso-hansi-font-family:Century">％削減を打ち出し、この方向に踏み出すことを公約した。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　第三は、ポスト権威主義である。その中身は、市民の能動性を強化し、開放的な多文化社会を作ることである。民主党は、かねてより夫婦別姓や市民活動の支援などを唱えてきた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　これらの理念に関して、当初は民主党も的確な方向感覚を示した。同時に、これらのビジョンは旧時代との訣別を打ち出すものであり、冷戦時代や権威主義を懐かしむ側からは強い反対を受ける。そこでこそ、政府与党の指導者の確信の度合いが問われることとなる。残念ながらこの点でも、民主党の信念は不十分であり、反対に遭うとぶれが目立つこととなった。また、大局的な理念を具体的な政策につなぐ知恵や戦略にも欠けていた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政権を失速させた大きな要因としては、政治と金をめぐる疑惑もある。資金疑惑そのものより、疑惑解明の姿勢や方法に関して民主党らしさが発揮されなかった点に、不信の原因があると私は考えている。民主党が野党時代に言ったことを今の野党が要求してくれば、それは受けるしかない。疑惑に蓋をして逃げ回る姿勢も、民主党の言う政治の刷新が口先だけでしかないという失望を広めた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　では、これからいかにして政権の立て直しが可能なのであろうか。最大の前提は、仮に普天間基地移設問題が五月中に決着しなくても、鳩山首相が政権を投げ出さないことである。国民が選んだ政権が一年も持たずに瓦解すれば、政党政治に対する国民の期待も雲散霧消する。自民党政権末期と同じ混乱を繰り返してはならない。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　その上で、民主党は八カ月の政権運営を虚心に点検し、人事、政権運営、政策の各面で、どのような点で見通しを誤ったのかを自ら明らかにする必要がある。大きな期待を背負って就任した閣僚の中にも、無能さをさらけ出し、霞ヶ関で呆れられている政治家もいる。政権運営に関して政治主導の名の下に、政策調査会を廃止し、内閣と政務三役で政策を決定すると意気込んだものの、重要問題で内閣がまとまらず、幹事長の裁定を仰ぐ結果となった。しかも、幹事長室が陳情を取り次ぐことを通して、公共事業費の裁量的配分という旧体制に回帰した印象さえ与えた。政策面では、野党時代に作ったマニフェストをすべて実現することなど不可能であるにもかかわらず、その実現のプログラムについて筋道だった議論がない。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　初めて政権を取ったのだから、試行錯誤があるのは当然である。問題は、錯誤を自ら認識し、それを修正する能力があるかどうかである。民主党の指導部が参議院選挙後の再編に関心を向けているとすれば、それは政治家の身勝手であり、国民に対する背信である。民主党は衆議院の圧倒的多数を基盤に、政策転換を実現する義務を負っている。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">政権交代の経験を無駄にしないために、民主党は次のような課題を自ら解決しなければならない。第一に、この政権は何をするために生まれたのか、民主党はこれから何をしたいのか、理念を共有することが何よりも肝心である。そして、政権獲得後の現実も踏まえて中期的なビジョンを打ち出すべきである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　第二に、政策調査会を復活させて、与党の政治家の総力を結集する体制を構築する必要がある。税制や社会保障の改革など、基盤的な政策転換を進めるためには、与党の力を結集し、議論を蓄積した上で国民に提起する必要がある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　ここで述べた課題を実現するのは、政府与党のリーダーの役割である。指導部が選挙至上主義に陥れば、かえって有権者は民主党から離れていく。政権の危機を迎えた今、政権交代と政策転換という原点に立ち戻り、自己修正を図ることこそ、唯一の活路である。（日本経済新聞6月23日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>その他の新聞</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-24T00:43:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=860">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=860</link>
    <title> マニフェストの修正</title>
    <description>　参議院選挙に向けて、各党が政策を発表した。特に注目すべきは、民主党が近い将来における増税の必要性について議論を提起したことである。民主党が推進する西欧流の生活支援政策を賄うためには、税負担についても西欧並みを目指す必要がある。その意味で、増税の議論を...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　参議院選挙に向けて、各党が政策を発表した。特に注目すべきは、民主党が近い将来における増税の必要性について議論を提起したことである。民主党が推進する西欧流の生活支援政策を賄うためには、税負担についても西欧並みを目指す必要がある。その意味で、増税の議論を始めることについて私も賛成である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　しかし、昨年の総選挙の際のマニフェストで、無駄を省いて財源を捻出するとか、消費税率を上げないと訴えていたことを、簡単に忘れてもらっては困る。マニフェストを修正すること自体は必要だが、なぜ大幅な修正が必要になったのかをきちんと説明することが、政党に対する信用を確保するために不可欠である。その点では、自民党が言う民主党批判に理がある。菅直人首相は論争が好きだそうである。権力者として野党から批判を受ける際にも、論争能力を発揮してほしい。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　参議院選挙は政権選択に直結する選挙ではない。その意味では、思い切った政策論争が可能な機会ということもできる。細々とした政策の項目よりも、目指すべき日本社会の鳥瞰図について、先を見据えた論争を展開してもらいたい。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">民主党支持率の</span><span lang="EN-US">V</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;
mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:Century">字回復は、選挙のための選挙ではなく、まともな政策論争を望む民意の現れである。民主党は民意を読み違えてはならない。（東京新聞６月２０日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-21T01:06:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=854">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=854</link>
    <title>連立政権の崩壊と社民党の責任</title>
    <description>　普天間基地移設をめぐる紛糾の末、社民党は連立を離脱し、鳩山政権は崩壊した。事態の展開はあまりにも急であったが、政治における責任の取り方について、重要な教訓を含んでいる。

　まず社民党の動き方について考えてみたい。福島みずほ大臣があえて罷免の道を選ん...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　普天間基地移設をめぐる紛糾の末、社民党は連立を離脱し、鳩山政権は崩壊した。事態の展開はあまりにも急であったが、政治における責任の取り方について、重要な教訓を含んでいる。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　まず社民党の動き方について考えてみたい。福島みずほ大臣があえて罷免の道を選んだ時、私は一九九四年の政治改革国会で、当時の参議院社会党左派が造反して選挙制度改革法案を否決した時を思い出した。またやったかというのが最初の印象であった。あの時の造反は最初の非自民連立政権である細川政権の死期を早めた。そして、社会党にとってより不利な選挙制度の成立に道を開いた。今回も、鳩山政権がさらに弱体化するだろうと予想した。そして、今でも沖縄に犠牲を押し付ける現在の体制がより長く続くことになるだろうと予想している。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　福島氏が、連立離脱というカードを切ることによって小鳩体制を崩壊に追い込むという野望のもとに罷免の道をひた走ったのであれば、彼女は社民党党首にしておくにはもったいないくらいの政治家である。しかし、実際は三振するつもりでバットを振ったらボールが当たってしまい、長打になったということであろう。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　社民党の身の処し方について、主義主張に殉じた潔いものだという好意的評価もあるかもしれない。しかし、主義主張を純粋に貫くことは、政治家にとって美徳であるとは限らない。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政治家の最大の使命は、結果を出すことである。普天間基地の県外移設という大目標に照らすならば、社民党が節操を貫くかどうかなど、どうでもよい問題である。野党の立場から日米合意を撤回せよと叫んでも、屁の突っ張りにもならないことくらい、与野党を両方経験した福島氏自身が知っているはずである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　鳩山政権が泥縄式にまとめた日米合意なるものによって普天間基地移設問題が決着したと考えるのは、大間違いである。鳩山氏が県外移設を主張したことにより、沖縄における反基地感情のマグマは吹き出した。この変化は不可逆なものである。地域振興予算と引き換えに基地を受け入れさせるという常套手段については、地元経済界も沖縄県庁も拒絶する姿勢を示している。辺野古沖への基地建設には海の埋め立てが不可欠であるが、許可権限を持つ沖縄県知事がそんなことを許すはずはない。問題の決着までにはこれからいくつもの山を越さなければならないのである。その時、社民党が政権にいるのといないのでは、同党の影響力には雲泥の差がある。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政治的判断の下し方は、そう複雑な話ではない。自分がある決断を下す時、誰がそれを最も喜ぶか、誰に最も不利益が及ぶかを考えればよい。社民党の政権離脱を最も喜ぶのは、民主党内のタカ派である。それによって最も損害を被るのは、社民党が代表すると称してきた弱者や沖縄の人々である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政治家は権力を使うことによって良い政策を実現し、国民から評価を得ようとする。しかし、その場合の称賛は、権力を行使することに伴う批判や攻撃と表裏一体である。称賛だけをいいとこ取りしようとする点に、日本の左派の甘さがある。今回の社民党の行動はその典型例であった。現実主義をわきまえ、責任感を持った左派こそ、日本の政治に必要である。（毎日新聞6月10日夕刊）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>その他の新聞</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-21T00:45:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=845">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=845</link>
    <title>左翼と保守</title>
    <description>　菅直人氏が首相になって、民主党支持率はV字回復した。鳩山政権の稚拙さには愛想が尽きたが、政権交代そのものにはまだ期待しているというのが、大方の民意であろう。

　これにあわてた自民党は、菅民主党を批判するのに躍起である。中でも笑ったのは、左翼政権とい...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:
minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">　菅直人氏が首相になって、民主党支持率は</span><span lang="EN-US">V</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:
minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">字回復した。鳩山政権の稚拙さには愛想が尽きたが、政権交代そのものにはまだ期待しているというのが、大方の民意であろう。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:
minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">　これにあわてた自民党は、菅民主党を批判するのに躍起である。中でも笑ったのは、左翼政権という批判である。左翼の意味を記者から問われて、谷垣自民党総裁は雰囲気が左翼だと答えたという記事があった。路線闘争、理念論争の空白は、政治家の知的水準を下げるものだと嘆きたくなった。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-ascii-theme-font:
minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:minor-fareast;
mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">保守は左翼の反対概念であった。左翼とは何かをきちんと定義できないということは、自民党の言う保守とは何かも今の総裁にはわかっていないということである。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:
minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">　沖縄問題に現れたように、民主党は反米ではない。また、経済成長戦略の策定に躍起である。民主党の政策で多少左翼っぽいものといえば、子ども手当などの社会政策の拡大である。左翼とは、強者の自由を多少制約しても、政府の力で平等を実現するという考え方である。貧困と不平等が蔓延する今の日本には、ある程度左翼的政策が必要とされている。保守政治家が大勢いる民主党は、現実的判断として左翼的政策を採用した。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-ascii-theme-font:minor-latin;mso-fareast-font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-fareast-theme-font:
minor-fareast;mso-hansi-font-family:Century;mso-hansi-theme-font:minor-latin">　民主党に対してカビの生えたレッテルを貼って攻撃するというのは、自民党の知的貧困の現れである。理念論争は自民党にも必要である。（東京新聞6月13日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-14T00:27:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=846">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=846</link>
    <title>菅首相への期待</title>
    <description>　鳩山政権の突然の崩壊の後、菅直人氏が首相に就任した。個人的には深い感慨を覚える。二十数年前、社会民主連合の若手代議士だったころからの付き合いで、あの頃のことを思えば夢のようである。

　政権交代に伴う政治への希望が急速にしぼんだ今、菅首相の責任は重大...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family: 'ＭＳ 明朝'; ">　鳩山政権の突然の崩壊の後、菅直人氏が首相に就任した。個人的には深い感慨を覚える。二十数年前、社会民主連合の若手代議士だったころからの付き合いで、あの頃のことを思えば夢のようである。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　政権交代に伴う政治への希望が急速にしぼんだ今、菅首相の責任は重大である。私は彼に期待している。最大の理由は、彼が無名の市民運動家から政治を志し、自力で大物政治家になったことである。これまで五代続けて世襲政治家が首相になった。小泉純一郎氏は別格として、安倍晋三氏から鳩山由紀夫氏まで党派を超えて共通するのは、粘りや辛抱に欠けていた点である。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　菅氏は市民運動出身ではあるが、大きな権力欲を持っている。決して、ナイーブな市民派ではない。それは政治家にとって極めて重要な美徳である。大きな野望を持たない政治家は、内閣を担うべきではない。菅氏に求められる役割は、権力の座にしがみつき、政権を少しでも持続することである。首相が一年ごとに交代してきた日本政治の混乱を収拾し、一人の首相が長い間国を統治することは、それ自体で大きな意味を持つ。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">その上で、一つでも二つでも、国民のためになる政策を実現することである。あまり大風呂敷を広げず、薬害エイズ事件の際の手腕を発揮して、具体的に課題を解決してもらいたい。（東京新聞6月6日）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>東京新聞　本音のコラム</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-07T00:29:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

  <item rdf:about="http://yamaguchijiro.com/?eid=852">
    <link>http://yamaguchijiro.com/?eid=852</link>
    <title>鳩山政権の危機をどう乗り越えるか</title>
    <description>　5月23日鳩山由紀夫首相は沖縄を訪問し、普天間基地移設問題について辺野古への新基地建設という現行案を継承することを表明した。これにより、鳩山政権は最大の窮地に立たされることとなった。

　普天間基地の県外、海外移設が大変困難な事業であることは、最初から...</description>
<content:encoded><![CDATA[
<span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　</span><span lang="EN-US">5</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">月</span><span lang="EN-US">23</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;
mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:Century">日鳩山由紀夫首相は沖縄を訪問し、普天間基地移設問題について辺野古への新基地建設という現行案を継承することを表明した。これにより、鳩山政権は最大の窮地に立たされることとなった。</span>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　普天間基地の県外、海外移設が大変困難な事業であることは、最初から明白であった。それをあえて政権の目標に掲げた以上、必死の努力を行うはずだと国民は思っていた。また、私は</span><span lang="EN-US">2</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">月初旬にアメリカのルース駐日大使と懇談する機会を得た。その時に大使は、次のようなことを言って、私を驚かせた。鳩山氏が首相になったときに、自分は、新しい首相も前政権がアメリカと作った合意を実行せよと言おうと思えば言えた。しかし、そんなことは言わなかった。日本は民主主義の国で、政権交代を起こしたのだから。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　実際、政権交代によって米軍基地の撤廃が起こった例はいくつかある。日本だけがその意味の例外になる必要はない。鳩山首相はその意味で正しい問題提起をしたのである。にもかかわらず、政権全体としてこの問題に取り組むという姿勢が皆無であった。岡田外相や北澤防衛相は、首相の思いを無視するかのように、嘉手納統合案など、およそ県外移設をつぶすためとしか思えないような提案をしていた。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　混迷を生み出した最大の責任者は、鳩山首相自身である。彼が内閣の指導者として、各閣僚にこの問題での不規則発言を慎むように、抑えるべきであった。そして、平野官房長官のような使えない政治家、岡本行夫氏のような前政権の知恵袋に頼るのではなく、鳩山自身の考える方向で答えを出すための体制を作るべきであった。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　もう</span><span lang="EN-US">1</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">つ、メディアの責任に触れないわけにいかない。全国紙には、前政権の作った枠組みを壊せば、日米安保体制全体が崩壊するという大合唱が、朝日から産経まで共通していた。これは、大手メディアが旧来の発想にどっぷり漬かっていたことを物語る。米軍は嘉手納も横田も好きなように使っている。仮に普天間基地を県外に移しても、米軍基地の圧倒的な割合が沖縄に集中している現実は変わらない。鳩山政権の問題提起が直ちに日米安保体制の崩壊につながるような大騒ぎをし、国民的な議論を封じ込めたメディアの罪は大きい。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　しかし、問題はまだ終わっていない。沖縄県民、地元の首長や議会が、県内移設という裏切りを許すはずはない。クリントン国務長官は移設問題の決着に当たって、米軍基地の持続可能性を強調していた。沖縄の世論に火を付けた以上、基地は持続可能ではなくなった。今月下旬、沖縄県庁の実務者は政府に対して、基地と引き換えの振興予算に代わる新たな財政調整の仕組みを提案したと『琉球新報』は報じている。今までのように札束で地元を黙らせることはできないのである。地元の反対を根拠に、日米交渉をやり直す余地はあるだろう。</span></p>

<p class="MsoNormal"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">　鳩山政権がここまで無力さをさらけ出すと、これまで政権交代を支持してきた者も、これからどのような態度をとるべきか、悩まされることとなる。沖縄基地問題に限らず、参議院選挙に向けたタレント候補の擁立だの、利益誘導政治の復活だのを見ていると、私のように、十数年民主党政権を作るために論陣を張ってきた者でさえ、もう付き合っていられないと思う部分もある。しかし、仮に鳩山が政権を投げ出しても、そのあとにはもっと大きな政治混乱が起こる。昨年の衆議院選挙で国民が鳩山率いる民主党に圧倒的な議席を与え、権力を預けたという事実は、最大あと</span><span lang="EN-US">3</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;
mso-hansi-font-family:Century">年は有効である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">政治学者、丸山真男は、福沢諭吉の言葉を引き、政治とは悪さ加減の選択であるとしばしば言っていた（丸山「政治的判断」、『丸山真男セレクション』平凡社）。とはいえ、良いも悪いも、丸山が生きていた時代には自民党による一党支配が続いていたので、選択の余地がなかった。丸山のこの言葉は、政権交代が現実のものとなった今こそ、意味を持つ。今の民主党政権と、次に出てきうる政権と、どちらがより悪くないかという思考こそ、成熟した市民の課題である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">先日、堀田善衛のエッセー、「出エジプト記」（『天上大風』ちくま学芸文庫）を読んでいたら、目から鱗が落ちる思いがした。彼は言う。「自由と解放の後に幻滅の感が来ないとしたら、そっちの方が不思議なのである」。「民主主義は、それ自体に、これが民主主義か？という幻滅の感を、あらかじめビルト・インされた</span><span lang="EN-US">form of government</span><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;
mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:Century">（統治形態）なのであった」。当初の理念に反することが起こった時、こんなはずではなかったと思えることをそのまま批判できるからデモクラシーである。理念に反することが起こった時、それをあえて正しい方向に進んでいると強弁するのは、独裁政治のやり口である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">となると、いましばらく鳩山政権と民主党に対し、こんなはずではなかったと言い続けるとともに、政権交代の成果について肯定的に評価するという、両面の対応を続けるしかないのだろう。実際、情報公開の拡大、事業仕分けによる官の聖域に対する追及など、政権交代によってはじめて実現した成果もある。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">半世紀以上続いた自民党政権と政官癒着の中で築かれた利権の構造を究明、是正する作業は、一瀉千里には進まない。民主党のもとで息長くそうした作業を続けるのが、当面の重要課題である。</span></p>

<p class="MsoNormal" style="text-indent:10.65pt;mso-char-indent-count:1.0"><span style="font-family:&quot;ＭＳ 明朝&quot;;mso-ascii-font-family:Century;mso-hansi-font-family:
Century">ただし、民主党の側も政権を持続したいなら、思い切った自己点検、自己修正をしなければならない。何よりも必要なことは、この間の民主党の行動の中で政権交代の大義にもとるものについて、自ら懺悔すべきである。さらに、今後の日本社会が目指すべき方向について、中期的展望を示し、国民の不安や憂慮に責任をもって答えるべきである。政府与党の指導部だけではなく、選挙で選ばれた政治家の一人一人がそのような声を発する時である。（週刊東洋経済6月5日号）</span></p>

<!--EndFragment-->



]]></content:encoded>
    <dc:subject>週刊東洋経済　政治フォーカス</dc:subject>
    <dc:date>2010-06-06T00:41:00+09:00</dc:date>
    <dc:creator>山口二郎</dc:creator>
    <dc:publisher>JUGEM</dc:publisher>
    <dc:rights>山口二郎</dc:rights>
  </item>

</rdf:RDF>